現在地:博麗神社




魅魔「さてっと、次の大会だが……この『嫁カップ』というものにでるよ」


霊夢「ずいぶんと唐突ね(ずずず)」



妖夢「里への買出し中にいきなり拉致されて何事かと思いましたが、大会の参戦でしたか」



魅魔「あぁそうさ。皆まだまだ暴れ足りないのだろ?」



霊夢「私は散々暴れまくったせい『自重しろ!!』っと言い渡された身なんだし、しばらくはのんびりさせてもらうわ」



妖夢「私も、白玉楼の後片付けが終わったとはいえそろそろ帰ってくる幽々子様のお世話がありますし…」


魅魔「なんだいなんだい、皆テンション低いねぇ」



霊夢「そりゃぁここ最近大会が立て続けに募集されてたらテンション低くなるわよ。
大体、ついこの前だってラクガキ巫女を引き連れて『正月杯』に出ろなんて言ってきたじゃない」



妖夢「正月杯への勧誘は私のところにも来ましたね」


魅魔「霊夢や亡霊のところだけでなく幽香や閻魔のところにも行ってみたんだけどな。
だが、皆出払っていたり用事があったりと非協力でねぇ…」


霊夢「というより、今幻想郷に残ってるメンバーなんかじゃまともなチーム組めないでしょうに」


妖夢「ですよね。『クリスマスイブ杯』『箸休め杯』『文花帖の部』の合わせて33人が不在ということになってますからね。
おまけに、霊夢さんや藍さんや閻魔様は幻想郷を早々気軽に離れられる立場ではありませんし」


霊夢「そうね。特に博麗大結界については私か藍か紫。その誰かが常に残っていないといけないし妖夢だって白玉楼を長い間離れられないんでしょ」



妖夢「一応許可があれば長い間離れていられることもできますが、留守にしていた時間が長ければ長いほど帰って来た時に仕事が山積みとなるのでやはり長い間離れるのは得策ではないですね」



霊夢「全く、面倒なシステムなことだこと」



魅魔「他はそういうこと関係なしと言わんばかりにかけもちやってるらしいが、余所は余所じゃないか」



妖夢「というか、ここが変に現実的すぎるっていう感覚がありますよね」



霊夢「さすがに時間軸に多少の曖昧さはあるけど、そこそこしっかりとした時間は流れているようだし」



魅魔「他のチームの連中に比べて生活臭が溢れてたりもするな。
もっとも霊夢の貧乏臭だけはどこの霊夢も共通で溢れているようだが



霊夢「…………」



妖夢「えっと…………それで、本題と思われる『嫁カップ』についてなんですが……この『嫁』という単語は一体」



魅魔「あぁ、これは監督やオーナー『嫁』を全面的に押し出すことを目的にした花嫁修行感覚のサッカー大会らしくってな。監督が指定した『嫁』とそのお供を連れていけば、それだけで参加できるらしい」



霊夢「……嫁って…全部、愛してほしいの〜♪というか」



妖夢「ずっと〜大切にしてほしいの〜♪でもあり、女の子の永遠の夢である…あれですか?」



魅魔「ぎゅっと抱きしめてほしいの〜♪と私が歌うと背骨をへし折ってしまいそうだが…多分その嫁だろうな。ちなみに続きは…」




霊妖夢魅魔「わたしたちをお・よ・めにしなさい〜〜♪」





魅魔「……という冗談はさておいて、嫁といっても監督もオーナーも『メンバーはいつもどおりそっちで適当にどぞー』とか言うぐらい『嫁』には興味ないらしく、いつもどおり投げっぱなしさ」



霊夢「本当に、オーナーも監督もとことんまで干渉を避けてくるわね」


妖夢「えぇ…ですが紫様が言うには監督やオーナーが干渉してこないからこそ、幻想郷が幻想郷でいられるとかなんとか言ってるんですが……どういう意味なんでしょうか?」



霊夢「それはアレよ。外部の者が干渉した時点でそこに不協和音が生じてしまい、それがきっかけとなって博麗大結界にも歪みが生じ…
その結果、幻想郷のあるべき姿を保てなくなるっということよ」



妖夢「保てなくなる…?」



魅魔「わかりやすくいうと、死者なのに現世に留まったりすると、あの世とこの世の境界がなくなって最後には死という概念がなくなってしまう…ということだろ、霊夢」



霊夢「極端な話、そういうことよ。監督もオーナーもそうなるのが嫌だから極力姿を現さないようにしてるみたいね」


妖夢「なんだか、変に真面目な話ですよね」



霊夢「私としては少々外からの干渉を受けても大丈夫なんだから監督とオーナーは心配症過ぎるっという気もするんだけど…
まっ、いたらいたでトラブル起こして面倒なことになりそうだし、来ないことは推奨させてもらうわ



魅魔「監督やオーナーも私達を好きにしてくれるという事実だけがあればいいじゃないか
でもって霊夢と妖夢、この『嫁カップ』にでてBIGになろうじゃないか!!













霊妖夢「(いろいろな意味で)なぜそうなる!!」












魅魔「だから、私は暴れ足りないんだよ!!
それに、これなら多数のメンバーを集める必要がない上に……オーナーが言ってたんだが………大会で活躍する等してドキュメンタリーDVDの売上に貢献してくれたらギャラをはずんでくれるそうだぞ」
























霊妖夢「のったぁぁぁ!!!」





















魅魔「霊夢はともかく、妖夢まで即決とは…驚きだねぇ」






妖夢「仕方ないじゃないですか!!以前の暴走のせいで白玉楼の財政が少しピンチなんですよ!!」




霊夢「私だって、壊れた神社の修繕費被害者の会とかいう変な団体から慰謝料という名目でお賽銭ほとんど持ってかれたせいでピンチなのよ!!
このままだと、正月を迎えられるかすら危ないわ!!




魅魔「の、割にはついさっきまでのんきにお茶飲んでなかったか?(ぼそぼそ)」



妖夢「えぇ、危機的な状況の割にはのんびりお茶飲んでましたよね…まぁ正月になったらお賽銭が入ってくるかなっという楽観的希望でも持ってたのかもしれませんが(ぼそぼそ)」



霊夢「さぁ、ギャラのためにとっとと優勝をかっさらってくるわよ!!」



魅魔「まぁ慌てなさんな。まだ肝心の『嫁』が来ていないから」


妖夢「嫁って…誰が来るんですか」


魅魔「それはについては……m」




















ッスン!!
















魅魔「ぶぎゃ!!」





魔理沙「あたたたた……スキマ妖怪の奴、有無を言わさずスキマに落としやがって!!
まぁ、下にクッションがあったおかげで助かったけどな」



霊夢「ま、魔理沙じゃないの!!あんた、クリスマスイブ杯に行ってたんじゃ?!」



魔理沙「あ〜霊夢かって…ここは神社か?」


妖夢「えぇ、神社なんですが…それより…下…下の……」


魔理沙「下……」


魅魔「………くっくっく………弟子が師匠を尻に轢いたあげくに『クッション』呼ばわりたぁ、言うようになったねぇ」




魔理沙「げぇぇぇーー!!? み、魅魔様……」





魅魔「これでも、まだわたしゃ弟子から尻に敷かれるぐらい落ちぶれたつもりはないんだが……
もしかして、『魔界パワー』を手に入れたことで少し調子に乗ってるのかぃ?」



魔理沙「あ、あああああ……そ、それは……その…………」


魅魔「そういえば最近虐待稽古を付けてなかったし…久々に稽古虐待でもするか」




魔理沙「え、えええええええええっと…………違う!!
これはスキマが悪いんだ!!!だから私は悪くない!!!全てスキマが企んだ陰謀であるからその黒い翼は広げずにまずは冷静に話を聞いてやめて許してお願いぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

























パッチン☆























どっごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!!!




















魔理沙「アッー! アッー! アッー! アッー! アッー! アッー! アッー!







































霊夢「あーよく飛ぶよく飛ぶ」


妖夢「この破壊力……さすが最強を名乗る悪霊ですね。私程度では到底叶いっこありません」


魅魔「はーすっきりした。今回は少しばかり手加減したから、異空間まで吹っ飛ぶことはないだろ」


霊夢「それで…話の続きだけど、嫁っていうのは」



魅魔「あぁそうさ。なんだかんだ言ってここからでるチームは皆『黒赤マジック』の名前を冠しているなら、『黒赤マジック』創立者の魔理沙『嫁』と同等の位置に持ち上げても違和感ないだろ」



妖夢「そうですね。魔理沙さんは『黒赤マジック』の真のキャプテンな上に」



霊夢「監督もオーナーも『嫁』を選ぼうとしてないなら、コンセプトで渡り合うための妥当な判断ってとこね」


















ひゅるるるるるるるるうるる………   ぐしゃ















魔理沙「………ピクピク」


魅魔「さてっと、異論もなければ締切も迫ってることだし、とっととこの書類に魔理沙の母印を押して提出してくるよ」


霊夢「えぇ、お願いっと言いたいところだけど…」


妖夢「……その陣形と配置は……」


魅魔「あぁ、これは私が適当に組んでみただけだが何か問題でも」


霊夢「別にどうでもいいと言えばいいのかもしれないけど…」



妖夢「極端すぎるので、せめて…これこうしませんか?」



魅魔「こ、これまた………なんていうか哀れだな」



霊夢「というか、妖夢……貴女さりげなく残酷なことするわね」



妖夢「えぇ?!能力から見てこれがいいかと思ったのですが…い、いけませんか…?」



魅魔「いや、いけなくはないな。むしろ、これもまた大胆な配置だしいいじゃないか。これでいこう。
っというわけで、そこのカメラ役。これを監督のとこに持ってってくれ」



毛玉「もけー!!」


魅魔「よし、メンバー表も渡したし、今回はこれで撮影終了かな」


妖夢「ですね。では、私は藍様や虹河三姉妹に後のことを頼んだりして来ますのでまた後ほど…」


魅魔「そうだな。カメラもいなくなることだしこれで解散とするか」


霊夢「それじゃ、各自解散ー」































魔理沙「………私は無視か………皆ひどすぎだぜ………ガフッ」


毛玉「もけー(ご愁傷様)」


バケバケ「バケー(強く生きろ)」















嫁だけど散々な扱いとなっている魔理沙に合掌を捧げつつ……



『黒赤マジック「恋」』 嫁カップへ出陣








おまけ

大会へ提出したメンバー表





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