遠くから聞こえる音。 これはトランペットの音色だろうか。 明るいその旋律は、気分を高揚させていく、それこそ褌一丁で飛び回りたいくらい… 「って、ちょ、まったあ!!!」 朝だというのにハイテンションに眠りから飛び起きた青年、その名を雷音という。 雷音は、特に姿を確認することもなく音の鳴る方向に声をかける。 「メルラン! いきなり人の家でなにやってるのさ!」 「あらー、お目覚めかしらー?」 演奏を止め、のんびりとそれに答えたのは、雷音の想像通り、騒霊の次女であるメルランであった。 「いい夢見れたかしら〜?」 「メルランは僕を狂い殺す気…?」 メルランの躁の演奏を聞くと、人によっては狂ってしまう… だが、それでもあくまでマイペースなメルランと突っ込みを入れる雷音。 ある意味、いつもの光景。 「来てみれば気持ちよさそうに寝てたから〜、いい夢でも見られるかな、と」 「危うく夢が褌地獄になるころだったよ…」 「あらー、それは大変ねー」 まったく悪びれることなく答えるメルランに雷音はため息をつく。 「それで、朝からいきなり人を狂わせようとして、何の用なのさ、メルラン」 少しだけ不機嫌に問う雷音。 親しい仲であるとはいえ朝にいきなり狂いかねないことをされれば、少し怒りたくもなる。 「だってー…最近雷音地下の地獄烏にかまってばかりなんだものーつまらないわー」 頬を膨らませてそう抗議するメルラン。 そういえば…最近妙に地霊殿の空に懐かれ、最近その相手ばかりしていた気がする。 「もしかして、その報復?」 「そうよー、私をほおって置くなんて極悪人よー」 今度は笑みを浮かべて言うメルラン。 「ああ、ごめん、メルランどうにも懐かれちゃったみたいで…」 「別に言い訳はいいわー、いつも楽しそうじゃないー」 「いや、楽しいわけじゃなくて、いや楽しくないわけじゃないんだけど、あの、だから…」 ほんとに懐かれているだけなのだが、うまく説明できない雷音。 その顔をメルランが正面から覗き込んでくる 「懐かれているだけなんだったら…」 悪戯っぽく笑うと、雷音の元に飛び込むメルラン いきなりのことに倒れこみそうになるが、これ受け止める雷音。 「うわっと、メルラン…?」 突然のことに驚く雷音。 少し赤くなった顔をメルランに向けると、 目の前に笑みを浮かべたメルランの顔がある。 「今日はいっぱい付き合ってもらうわー、あなたをハッピーにするんだから〜」 雷音の腕に絡みつき、笑顔でそうのたまうメルラン。 そんなわがままな彼女の言葉に肩をすくめながらも、 「はいはい、わかりました、付き合うよ」 雷音はうれしそうに、笑みを浮かべていた。 あとがき みじかっ!でも長くする要素もないしなあ…うーむ めるぽは割りとストレートだと思うのです めるカンさんが旧HNなのは今のHNだとややこしいからです 永久