「漸ー…」 ゆさゆさ、そんな感じで体を揺すられる。 手で触れられているのだろうか、割と小さい…そんなことを思いつつも、夢から目が覚める 「ルーミア…?」 そこにいたのは、泣きそうな、不安な顔をしたルーミアだった 「どうしたんだ?こんな夜更けに」 真夜中に起こされたことも気にせず、漸はルーミアへと言葉をかけた ちなみにルーミアがいた理由だが、ご飯を食べさせたあとそのまま寝てしまったので、そのまま寝かせていたのである 「あのね、怖い夢、見たのか…」 ぎゅう、っと抱きついてぼそぼそというルーミア 「夢…どんな…?」 「…」 しばらく、ルーミアはうつむいたまま無言を保ち…ぽそぽそと語り始めた 「漸を…食べようとする夢だったのか…」 「やめようとしても止まれなくて…」 「そのま…ひっく…ぜんを…うっ…」 「ごめん、喋らなくていいから」 震ええた声で話し、泣き出してしまうルーミアを漸は抱きしめ、落ち着くまで、ゆっくりと頭を撫でた。 しばらくして、少し落ち着くと、ルーミアがそわそわと、視線を浮つかせるようにし始める なんだろう、と思う漸に、トーンの落ちた、不安そうな声がかけられた 「漸…ほんとにそんなことにはしたくないのか…」 「だから、だから…嫌いにならないで欲しい…」 「まだ、一緒にいたいの…か…」 自分が、何を言ったかに気がついて…捨てられる、と思ったのだろうか 「また1人は…嫌なのか…」 闇を操る、特別であることによって敬遠された日々 孤独の中にいたルーミア そこにまた戻るのかと 嫌われてしまうのかと 少女の目にあったのは、不安と恐怖 そんなルーミアに 漸は笑いかけた 「大丈夫、ルーミアはそんなことしないから、な?」 そういって頭をまた撫でると 涙をうけばたルーミアが思い切り飛び込んできた。 「漸ー…1つお願いがあるのか…」 「ん、なんだい、ルーミア?」 「今だけでいいから…怖い夢見ないように、漸がいることを確かめるために、一緒に寝て欲しい…」 「あー、それは…」 いいのかなあ、と思いつつも… 結局、漸はルーミアの純粋な瞳に勝てなかった 「わかった、ほら、おいで」 「ありがとうなのかー」 もそもそと漸の布団に入るルーミア、そして、そのまま漸に抱きつく 「漸、あったかいのか…」 「そ、そうか…?」 正直、かなり緊張している漸 「良く、眠れそうなの、か…」 突然起きたことと、不安から開放されたことで、ルーミアはすぐにうとうとしはじめる そんな様子に毒気を抜かれた漸は、また微笑むと 「お休み、ルーミア」 自分もまた、目を閉じた… 今日は、良く眠れそうだ。 あとがき ルーミアが昼に起きてるかとかはまあ、ご都合で漸さん準拠。 バカルテットの枠を取ると実はルーミア結構孤独?とも思うのです。