あれから数日後…… さまざまな傷から回復したハクレンは自宅のベットの中であるものを見ながら思い悩んでいた。 数日前、惚れ薬のせいで発狂した椛に襲われたあの事件だが 椛の行動が尋常ではなかったため、現場を目撃した左京や冬月も不審に思ってたらしい。 それだけ椛の行動が不自然過ぎたのだ。 さらに、事件が起きた翌日には酒場の酒に惚れ薬を混ぜようとしたシロとてゐが発見されて捕縛。 二人が惚れ薬の瓶を持っていたということもあって、 椛の暴走に何か関わりがあるのではっと余罪を追及される羽目となったのだ。 そうして、様々な人妖からの証言を組み合わせた結果…… 二人はゆうかりんランドで繰り広げられた幽香と藍との神竜の戦いに巻き込まれたナイトから こっそりと惚れ薬を盗みだすことに成功。 実験として左京の家で惚れ薬を椛に使用した結果、椛が発情して大暴走。 驚いた二人は思わず逃げだしたが、効果抜群とわかってさらなる被害者を生み出すためスカーレットバーに侵入。 酒樽に惚れ薬を混入しようとしたところをガチャピンとムックに見つかって逃走劇の末に御用となった。 そんな経緯があったためハクレンが椛に襲われた事件は全面的にてゐとシロの仕業となり、 ハクレンは無罪どころか被害者として手厚い保護を受ける事となった。 また、にとりから出された罰ゲームも事情が事情ということで特にお咎めもなく 任務達成扱いにしてくれたのだ。 そうやってハクレンにとってその後の処理はすべてが良い方向に転がってくれていたのだが………… 今朝を境にして事態が変わってしまった。 今朝方誰かがハクレンの玄関前に置いて行ったブツ………… 布に覆われていたので、最初は何かわからなかったのだが それを取り払った時、目に写ったのは……………… “発情して素っ裸な椛に襲われているハクレン” が描かれた絵だったのだ。 「そ、そういえばここ最近こういう誰が描いたのかわからない絵が  ばらまかれているとかいう眉つばな噂は聞いてたけど……」 まさか本当だったとは思いもよらなかった。 しかも、ご丁寧にアレな瞬間を描写するなんて不気味を通り越して恐怖すら感じる。 こんな不吉で得体のしれないものは即座に処分すべきだが…… 絵の椛は一糸纏わぬ生まれた姿であるため、いけないとは思ってもついつい直視してしまう。 そうやって、ハクレンは決断が出せないままベットの上で何時間も思い悩んでいた。 っと、そんな折 “トントン” 誰かが扉をノックする音が響いた。 その音に気付いたハクレンははっと我に返る。 「お客さん…誰ですかー?」 「私です。椛です」 ドスン!! 不意打ちともいえる椛の訪問で思わずベットから転げ落ちるハクレン。 「え、ちょ…なんで椛がこんなところに」 「何ってお見舞いに決まってるじゃないですか。  私のせいでハクレンが大変な目にあったわけなんですし、とにかく入りますよ」 「え、ちょちょちょ…それはまずい!!今散らかってるから後にして」 「今さら何言ってるんですか。それに散らかってるなら掃除してあげますよ」 そう言って慌てるハクレンを無視しながら玄関を開けて寝室へと向かってくる。 当然、今この部屋入られたらこの絵を見られることとなってしまう。 もし、椛にこんな絵を見られたら……………… ということで、大慌てで絵を隠す場所を探す。 しかし、この場合隠す場所といえば一つしかないだろう。 古来より健全男子の夢と希望が詰まった聖地とされるお約束の場所。 ベッドの下に、ハクレンは絵をすべり込ませるようにして放り込んだ。 「ふぅ〜〜これでなんとか一安心」 一仕事を終えて汗を拭うハクレンだが………… 「………ベッドの下に何を隠したんですか?」 「ぬわ〜?!」 背後に立っていた椛に思わずシェーのポーズを取りながら飛びのくハクレン。 どうやら、さっきの一部始終を全て見られていたようだ。 「え、えっと…それはその…ナンデモナイデスヨ」 なんとかシラを切ろうとするハクレンだが、その態度はあからさまに怪しい。 むしろ、椛にとって逆に不信感を抱かせる結果となってしまったらしく 椛は無言でハクレンの脇を通ってベット前でしゃがみ込む。 「とりあえず、ちょっと失礼しますよ」 「あーちょ、ちょちょちょ…やめてヤメテー!!!!」 そんなハクレンの悲痛の叫びを余所に椛はベット下に隠された絵画を引っ張りだした。 そして……… 「………」 「………」 「………」 「………」 しばらく、お互い沈黙タイムが生まれた。 その時間はほんの数秒程度だがハクレンにとってとてつもなく長い時間に感じられた。 だが、そんな沈黙タイムも終わりの時が来るわけであり 「ハクレン……」 「ハイ、ナンデショウカ」 「…とりあえず、殴る。話はそれからです」 と言い終わらぬうちにハクレンの目の前には椛の巨大な湾曲刀の峰が迫っていた。 「やっぱりこんなオチか」 薄れゆく意識の中、ハクレンはどうでもいいことを思いつつその意識を絶った。 その後、ハクレンの身に何が起きたのかはわからない…が、 とりあえず翌日のハクレンは全治2週間ほどの怪我がプラスされていた。 っとだけ付けくわえておこう。 終わる あとがき 長かった…… この話は7月の悠Hカオスの参加チーム受付時に ハクレンさんがおまけとして付けてきたSSを見てから考えていたものだけど……… いろいろと所都合で書き上げるのがものすっごい遅くなっちゃいました。 てか、書きはじめたのが9月の初めなのに終わるのが11月ってどういうことやねんw さらにいえば本編最後のオチもとわわんと似たようなものになっちゃってるし…… もういろいろと自分自身に突っ込みたい気分ですわ(汗) っということはさておいて、解説というかこの話の目的はまぁアレです。 きのこぱにっくとまったく同じ理由、 私を悶え殺すようなSSを書いたハクレンに3倍返しをぶちかますために書きました。 なので、第一の目的は如何にしてハクレンを『ぬわ〜〜〜!』な目に合わせるかですが、 個人的にドタバタ活劇が好きなわけであって、いつも通りいろんなキャラが出演しました。 ついでに毎回言えることですが、私の場合SSを書くときはなるべく多くのキャラを出したいこともあったので 出演監督は今まで出番がなかったりした人を中心に選抜してます。 その甲斐あって、この4作で半分以上の監督様が何らかの形で出てきたことになりますが… その結果、また過去作品より文章量が増えちゃいました。 今回こそは短くまとめようと思ってたのに、なんで増えちゃうんでっしゃろ…(汗) さらに、文章が増えてもまだまだ出てきてない監督さんがいるし、 本当、このシリーズは幻想入りした監督が多すぎです(そこがいいのだけど) そんなわけで、まだまだ出番がなかったり出て来ても台詞もないような監督様。 機会あれば次回作に登場の可能性がありますので該当者は首を洗ってオマチクダサイマシ。 ついでに、まだこの「東方サッカー監督達が幻想入り」シリーズに出てきてない 新規の監督もある程度の立ち位置や絡みキャラの情報をくれたら出演できるかもしれません。 もっとも、変な設定が付加されて酷い扱いされてもいいという奇特な方になりますが…… それでもよければ、どしどし応募くださいまし。 おまけ ドキュメンタリー等の共通点 ・麻雀  幻想郷で麻雀といえば『幻想麻雀』しかないっしょq  ということで、幻想郷内で麻雀をする監督は全員『幻想麻雀』をやってます。  なので彼岸組のヤングさん、歪曲さん、48Kさんも幻想麻雀の常連者です、はいw  ついでにいうとライスことお米さんも麻雀やってることもあって椛とは顔なじみ  ちなみに、ハクレンさんは椛にハンデ無だと将棋で勝てない程度の腕なので麻雀も弱めにしてます。  なので本物の麻雀の腕は弱いということないですよ……たぶん ・耳掃除  別に教授のラジョイが発端ではないというか、実際誰が発端かわからない…が  他の監督さん達がこぞって膝枕で耳掃除をネタとしたSSを投下するからその流行に乗ってみたww  http://zircondoll.s326.xrea.com/medi2/src/rumi0885.txt  http://zircondoll.s326.xrea.com/medi2/src/rumi0887.txt  http://zircondoll.s326.xrea.com/medi2/src/rumi0949.txt ・秋刀魚型弾幕  風峰というかぼへみ〜の弾幕は秋刀魚型…という設定がある ・ハクレンと藍の関係  本編で説明してる以上が知りたければ↓をみませう  http://zircondoll.s326.xrea.com/medi2/src/rumi0352.txt ・漸ちゃんの料理センス  きのこ☆ぱにっく!をみればわかる ・ライスはえろはなの弟子  おこめさんは初代カオスカップ以降えろはなこといのはなさんの弟子入りしたので、  こっち側の世界でも弟子入りした形となりました。  ちなみにシロことCROさんは、接点あるかは今現在不明。 ・DDD  酒場でおなじみのファンシーマスター大ちゃんプリンが出すドリンク。  名称は様々だがオーソドックスなのは「大ちゃんデラックスドリンク」である。 ・謎の絵画  ハクレンさんが書くSSで登場する描き手不明の絵画。  とにかく、監督とその嫁とがアレな事をした一瞬を描いているため、当事者はそれをみると物凄い困惑する。  http://www.geocities.jp/dfato300/CC3/t/12o.txt  http://zircondoll.s326.xrea.com/medi2/src/rumi0933.txt