「ふむふむ…『ルーミャッHフェスティバル大絶頂!種族を超えたお祭り騒ぎはオールナイトで有頂天!!』ねぇ」

ここは青空、もとい雷雲が渦巻く穏やかな昼下がり。
魔界の奥に建つ魔界神神綺の屋敷の小テラスにてアリスは『文々。新聞』を読んでいた。
新聞には先日の酒場で行われた『ルーミャッHフェスティバル』の記事を大々的に取り扱っており、
読んでいるだけでその楽しそうな雰囲気が伝わってくる。

「そんなに気になるのだったら、行けばよかったのに」
「すきまさん、そんなことできるわけないでしょうが」
「ははは、確かにそうかも」

いつのまにかテラスに入ってきた執事のすきまはそう笑いながら、
持ってきた紅茶と茶菓子をテーブルにおいて自身も空いている椅子に座る。

「しかし、こんなとこでまでブン屋の新聞を読めるなんて思ってもみなかったわ」
「まぁ、新聞は情報を仕入れるのに最適な媒体だしな。
 おかげで魔界にいながらも幻想郷のことがわかるってことさ」

そういうすきまだが、この『文々。新聞』は信憑性のないことで有名だ。
記事もでたらめばかりでそのまま信じてはいけないのだが………

「大丈夫大丈夫。俺もあのブン屋のことはよく知ってるから」
「あーそういえばそうだったわね」

そう笑いながら紅茶をすするすきまに納得するアリス。
忘れそうだが、すきまは幻想郷出身なのでブン屋の新聞の信頼性はよく知っていてもおかしくないのだ。

「とりあえず、今回のこの記事はどこまで本当なのだか」
「さぁ?ブン屋もまるっきり嘘はかかないし、実際はどうかは実際に行ってた永久にでも聞いてみるわ」
「…それで、本当によかったのか?永久の誘いを断って」
「だ、だから…昨日はどんな日だったかわかって聞いてるの?!」

バンとテーブルを叩きながら物凄い喧噪で睨みつけるアリス。
その表情は怒ってるというより照れているようにもみえ、すきまはついニヤニヤとしてしまう。

「冗談だ冗談。なにせ昨日は魔界の創立記念日だったし、
 もしアリスさんが来なかったら神綺様がどれだけごねるかわかったもんじゃないからなぁ」
「一応突っ込むと魔界創立記念って1年に2回以上行うものじゃない気もするけど…」
「それに関しては、アリスさんに帰ってきてもらうための口実だし細かいところは突っ込まない方がいいかもな」
「はぁ……本当に困ったお母さんだわ」

アリスはため息をつきながら、立ちあがって魔界を一望する。。
魔界は相変わらず雷雲が渦巻いており、薄暗く陰気臭い世界に感じるが、気候は穏やか。
作物なんかも普通に育つので決して人が住めないような環境ではない。

「………そんな魔界を作ったお母さんとたけちーかぁ」

視線を下にずらせば、今度は屋敷の庭がみえた。こじんまりとしてるが、手入れの行き届いた庭。
その一角では焚き火の中に棒…本井アホ毛を突っ込んでいる神綺ともう一人、たけちーの姿がみえる。

傍からみると、魔界の頂点に立つ人物とは思えない…
しかし、実際は本当にあの二人が魔界を作ったのだ。

「作ったといっても実際作成に関わったのは、ずっと前のたけちーさんらしいけど」

そんな様をほのぼのと見つめるすきま。いつのまにかアリスのとなりへとやってきていたのだ。

「ずっと前のたけちー?」
「あれ?知らなかったんだ。たけちーさんというか『たけみかづち』は
 『建御雷神(タケミカヅチ)』の力を宿した者が代々名乗ってるとかいう話だけど」
「そうだったの?知らなかった…」
「まぁ先代はアリスさんが生まれてからずっと『たけみかづち』を勤めていたそうだから知らなくても当然かもしれないけど」
「ふ〜ん…」

そうやって改めてたけちーをみると、確かにアリスが知っているたけちーとは纏う雰囲気が違っていた。

「ちなみに、あのお方が来てから神綺様がますます神の威厳をなくしたんだよな、これが」
「それはよくわかったわ」

というアリスの言うとおり、今現在神綺は……

「キャー!!アホ毛が!アホ毛がぁぁぁ!!! ∩ノリTヮTル゚゚火(どたばた)」
「だー何やってるんだーこのバカがー!!」

アホ毛に引火した火を消すためごろごろ転げまわりながら暴れていた。
でもって、その神綺目がけて水をぶっかけるたけちーだが

「キャー!!冷たいじゃない!!!もっと優しくしてよ ∩ノリTヮTル゚゚ξ ゚プスプス」
「五月蠅い!助けてやっただけでもありがたく思え!!」

水をぶっかけられたことで文句をいう神綺と、その文句を一蹴するたけちー。
その様子は丸っきり子供の喧嘩で神の威厳なんてこれっぽっちもない。

「でも、あんないきいきとしたお母さんの顔みるの初めてかも」
「あぁ、神としての威厳はなくなったけど代わりに喜怒哀楽という感情が手に入ったとみていいかもな。
 それに、あのたけちーが来てからこの魔界が幻想郷みたいに騒がしくなってもういろいろ大変さ」

いろいろ大変と言いつつも笑っているすきま。
その様は困ってるどころか今の状況を楽しんでいるように思える。

「魔界も私が居ない間にどんどん変わっていくのね……」

今なお子供のような喧嘩を続ける神綺とたけちー。
前までだったらひっきりなしにアリスの元へひっついて離れようとしてなかったが、今回はそんなことはない。
それはつまり、神綺の心の中……
今までアリスで埋められていた部分にたけちーが侵食しはじめていることを示していた。

(自分はもう必要とされていない)

アリスはどこかでそう思うと少しさびしくなった。
ただ、今まで神綺が子離れしてないだけな話なのである意味これが正常なのだが、
やはりさびしいという気持ちは変わらない。

「とにかく、たけちーさんが来てから必要以上にアリスさんを呼びつけるようなことが少なくなったもんな。
 だから、次からは永久からデートに誘われたら行けばいいさ」
「ちょ、だから何でそんな話に?!」

再度永久のことに触れられ危うく柵から落ちそうになるアリス。
明様に動揺しているその様に、すきまはにやにやとしながら続ける。

「照れない照れない。魔界人も時には素直に…」

そうやって、頭の中でいろいろな妄想を繰り広げていくすきま。
その妄想は一体どんなことなのか不明だが、確実なのは………





アリスの逆鱗に触れたことだ。








咒詛「蓬莱人形」






ドッガーーーーーン!!





アリスが呼びだした人形達によるレーザーの一斉射撃。
その直撃を受けたすきまは……





「ぬわ〜ぬわ〜ぬわ〜」




キラーン☆




そのまま、魔界を流れる一筋の流れ星となった。








なお、吹っ飛んだすきまはそのまま魔界の外れにあるはくどうの家に激突。
でもって中に上がりこんでいたマイを下敷きにしてしまい………

激怒したユキからのブチギレ弾幕によってすきまははくどうの家ごと滅せられた。
でもって、壊された家の修理のために神綺御一行はしばらくはくどうにこき使われる羽目となったとかなんとか…










魔界は今日も平和である。















終わる



あとがき

とわわん執筆の『騒霊鍋』で危うく悶え死にかけたからその復讐でついかっとなって書いてみた……
ただそれだけの理由でプロットなんか全くなし。

ただただ、とわわんにずどーんと酷い目に合わせるという復讐心と勢いだけで書きあげますた。

その結果がこれなので、今は反省(した振りを)している。



………っということで、今回の話は完全勢い任せです。
前回とは違って深く考えずに書いただけあって収集のつかないカオスとなりますたが…
まぁそれでも形にもってける辺りはギャグの強みですねwww

なお、勢い任せだから話の長さもどうせ前回の半分程度と思ってたけど
いつのまにか前回とほぼ同じボリュームになったのは謎ですが(笑)

でも、その理由はカオスだから』の一言で済みそうですけどね。
ではまぁそういうことで………

もし次があるなら(とかいいつつこれアップしてる時点で新作手掛けてたり)
まだ出番のない博麗神社、永遠亭、彼岸の人達を出そうと思うので

該当者の方はいろいろとご覚悟くださいましwwww




追伸:とわわんが正気を保っていた理由
   彼は既にきのこの影響(幼児化)を受けていたので新しいキノコ効果が上書きされなかったから




おまけ

ドキュメンタリー等の共通点

・永久の能力(幼くなれる程度の能力)
 本編通り、魔理沙から渡された魔法薬のせいでこの能力を得た。
 ちなみに、チビバージョンの時は 身体能力↓ 魅力↑ となります
 くわしくは冬月せんせーの恋の魔法使いの妙薬を参照


・ルーミャッHフェスティバル
 なたまにあ氏が毎月7日に開催するルーミアを大々的に取り上げるお祭り。
 以前はルーミアに関する作品を一般募集して派手に行っていたが、
 今はなたまにあ氏のサイトで細々と続けられているだけとなっている。

・ルーミャッHフェスティバルの料理
 漸ちゃんは『東方サッカー監督が〜』シリーズだと料理人な上にリアルで『喫茶マウンテンオフ』を主催している。
 それを上手く利用して取り入れてみますたw
 なので、実際出てくる料理は『喫茶マウンテン』のメニューを想像すればよくわかるかとwww

・ボギィ---(´゜д゜`)---
 ………これ、どうやって説明したらいいんだろう(悩)

・永久とたはなこ(まったり人間)との関係
 二人は『全宇宙最強タッグトーナメント杯』でのパートナーだったからその延長で繋がりもたせただけ。
 ちなみにチーム名である『トワニマッタリ』はいろいろと縁起の悪い名前との噂があるとかなんとか……
 なお、後で知った事実だがまったりさんはキノコ苦手だったらしい(汗)
 なのでたはなこは今回の件でキノコが駄目になったということにしてもらいますたw

・暁とローズ(ROSE)の関係
 上記の『喫茶マウンテンオフ』での常連参加者っぽいから(以下略)

・紫にブルマー
 たはなこことまったり人間の掲げるジャスティス!異論は…認めるのかどうかは不明

・酒(Y缶)とおつまみ(焼き肉)
 Y缶は「YEBISU BEER(エビス ビール)』」の略
 焼肉はイオシスの『究極焼肉レストラン!お燐の地獄亭!』をみればわかるかとwww



・ボィンボィンでロリコンワーオ
 漸ちゃんの迷言の一つとでも思ってください(投げっぱなしジャーマン)

・味噌納豆ケーキ
 『喫茶マウンテン』に実在するメニュー「味噌納豆ピラフ」をちょっと弄ったの。
 納豆の臭いがかなりきつく、納豆が苦手なものは速攻逃げ出す威力をほこっている。
 ちなみに味に関しては……焼きおにぎりとでも表現しておこう。

・甘口いちごパスタ
 『喫茶マウンテン』に実在するメニュー「甘口いちごスパ」
 生暖かいピンクの麺にいちごとクリームがたっぷりかかったパスタで想像を絶する甘さをほこる…らしい。

・あつげしょう
 『喫茶マウンテン』に実在するメニュー「あつげしょう(大)」
 長さ50センチ強のフランスパンの上に餡子をたっぷりのせてその上に生クリームをぶっかけた料理?
 あんこと生クリームの甘さからくるハーモニーは一口で吐き気を呼び起こす。
 っていうか、こんなの一人で完食できたらまぢで尊敬ものだ………
 なお、実際この「あつげしょう」を注文して食べていた暁氏は「塩がこんなにうまいとは」なんていう迷言を残していたりwww

・たけちーと魔界神
 棒さんが書いたSSからちょいっと拝借。くわしくはここ



…なんかこうやって並べると今回ドキュメンタリーネタ全然ないような(笑)








おまけ2



リュード

名前:リュード
能力:猛虎を誇る程度の能力
種族:獣人(ワータイガー)
特徴:
つい最近幻想郷に流れついたと思われる生まれついての純粋な獣人。
流れついた最初の場所が橙の縄張りだったらしく、橙にいきなり勝負をふっかけられたようだが、あっさりと返り撃ち。
でもって、その後お約束のごとく藍にあっさり叩きのめされ、その縁?でマヨヒガの橙の縄張りに住み着いた。

ちなみに、リュードは女性…とくに巨乳には目がなく、最初の頃は巨乳の持ち主に見境いなく襲いかかってたようだが、
巨乳=強者の構図のせいでほぼ全員から返り撃ちにされている。
よって、今現在はリュードの強さに惚れて好意を持ってる橙に対して
『今はつるぺただけど八雲一家だし、成長すれば保護者みたく巨乳になるだろう。
 なら、今の内に手懐けて自分好みにしたてあげるのも一興』
っという打算的なもくろみによる『光源氏』計画を発動させている。
でもって、その行為はもげらを筆頭とした一部にばれてはいるものの、
どう処理すればいいかわからず頭を悩ませているとかなんとか……

余談で彼の能力は小物ではありませんっという手心を込めているものなのだが、
そのうち『虎の威を借る程度の能力』に変化してしまいそうでならないのは気のせいだろうか…?



たけみかづち

名前:たけちー
能力:神(建御雷神(タケミカヅチ))の力を宿す程度の能力
種族:現代神
特徴:
建御雷神(タケミカヅチ)の子孫であり、H代目の建御雷神(タケミカヅチ)の力の継承者。
継承前は外の世界で普通に学生をやってたのだが、
先代の死去で建御雷神(タケミカヅチ)の力を受け継いでしまい、人外へとなり果ててしまった。
その結果、外の世界ではもう暮らしていけないと悟り……
外の世界に見切りをつけて、先代が死ぬ間際まで住んでいたとされる魔界へと移り住んだ。
でもって、魔界では「たけちー」と改名して魔界神である神綺と毎日じゃれあいながら暮らしている。

ちなみに、建御雷神(タケミカヅチ)の力とは雷神の力であり、破壊の力。
その気になれば世界を滅ぼすメギドの炎も起こせるようだが……
たけちーはその力を継いだばかりなのでまだ欠片程度しか使えないらしい。

なお、神綺は建御雷神(タケミカヅチ)の力が引き起こした破壊から発生した力から創造の力を紡ぎだし、
その力で魔界を形作ったとされている。